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3 杏はどこに

「思い当たるところって言ってもだな… なぜ靴下をぬぎちらかしたか、なぜ家をとびだしたか、…わかってくれないお母さんに腹をたてたか…だとしたらどこへ向かうか…」 幼い女の子の考えることはよくわかりません。『小倉さん…あの』 ユキが話しかけてきましたが、それどころじゃありません。 杏の家から美術館まで子供の足で三十分ほどでしょうか。「…とにかく、杏の家に向かって歩いてみよう」 ユキは小倉さんのすぐ後ろをとぼ...

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2 スピッツと共に外へ

『…じゃあ、行くぞ。僕と…小倉さんはテレパシーでしゃべることになるから、ぶつぶつ言わなくていいから』 小倉さんはスピッツについて行きました。『…おお、なんていい空気』  外にでたとたんスピッツは目をつぶってすうっと息を吸い込みました。しかし、空気を味わったのは一瞬でした。ふりかえり、美術館を見て、口をぱかんとあけました。『これが…あれか? 今はいつだ?』『春だよ、…いや、君はいつの生まれなんだ?』『…わ...

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1 亡霊の呪い

ある町にお城のような美術館がありました。管理人の小倉さんは六十をすぎてからここに勤め始めて、今年で五年目になります。小倉さんはある日、奥さんに靴下がぬぎっぱなしだと注意されて、「かたづけようと思っていたんだよ」と、ぷんぷんしながら倉庫の床をけとばしました。すると、靴がすっぽ抜け、すみっこにあったツボにぶつかり…まっぷたつに割れてしまいました。小倉さんがあわてていると、もくもくと白い煙が出てきて、「...

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